専門分野
古代日本文学(歌謡と和歌)、近代日本における古典の形成: 近代国文学の認識枠を批判的に吟味しつつ、自明化した享受枠組みの刷新を目指す。ひところ取り組んでいた斎藤茂吉の研究は一段落。今後は天皇制と古典の因縁を解剖する作業に乗り出す心算。
業績
著書
- 『万葉集の発明 国民国家と文化装置としての古典』(新曜社、2001年。中国語版・鄧慶真訳『万葉集的発明』香港教育出版社、2004年)
- 『斎藤茂吉』(ミネルヴァ書房、2010年)
- 『斎藤茂吉 異形の短歌』(新潮社、2014年)
論文
- 「神ながらの歓喜――柿本人麻呂「吉野讃歌」のリアリティー――」(万葉七曜会編『論集上代文学 29』2007年)
- 「五・七音数律は誦詠に規定されたものか」(『上代文学』100, 2008年4月)
- 「万異化の技法としての写生――ファン・ゴッホ、ヤスパース、斎藤茂吉――」(『日本現代詩歌研究』10号、2012年3月)
- 「国学と国文学――東京大学文学部附属古典講習科の歴史的性格」(斎藤希史編『UTCPブックレット24 近代日本の国学と漢学』2012年)
- 「排除と包摂――国学・国文学・芳賀矢一――」(『国語と国文学』89‐6、2012年6月)
- 「畸形の文法――近代短歌における已然形終止法の生成――」(『「万葉』217、2014年5月)
- 「神ながら栄えゆく世界――『万葉集』巻一・巻二における神聖王権の表象――」(『文学』16‐3、2015年5・6月)
翻訳
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国際シンポジウム
- コロンビア大学国際シンポジウム「カノン・フォーメーション」1997年3月28-30日《Man'yoshu:the
Invention of a National Anthology》
- 成均館大学校東アジア学術院主催第6回東アジア学連続セミナー「国民国家の言語と文化」2002年7月3日(韓国ソウルにて開催。共同討議者 イ・ヨンスク、小森陽一)
- The Man'yoshu in the Interwar and Postwar(colloquium); 2010年3月11日、UCLA International Institute
- The People who Interpreted the National Polity: The Plan to Nurture National Talent on the Eve of the Imperial Constitution System)Rethinking the Space and Place of Japan: Literature, Art and Thought 2012年4月6日 UCLA
- 「神ながら栄えゆくべき世界―『万葉集』における神聖王権の表象とその消長」2016年3月18日、UCLA 国際シンポジウム "Imaging the World in Premodern Japan"
その他の業績(近詠三首 於Strasbourg)
- 寄生木のあまた懸かれる繁みありて畠(はた)と草地とおほに起き伏す
- 青年の験者(げんじや)のごとく黒つぐみ喬木にして囀りやまず
- Sandraと頬擦したれ深ぶかと闇はにほへり獣肉食(ししは)みし香に
受賞
- 2001年第19回上代文学会賞
- 2011年第22回斎藤茂吉短歌文学賞
- 2011年第9回日本歌人クラブ評論賞
- 2015年第23回やまなし文学賞研究・評論部門